天候に左右されず、安定的にエネルギーを供給できる地熱発電。1967年に九州初の地熱発電所である大岳発電所をはじめ、山川発電所や大霧発電所の建設工事を手掛け、その後メンテナンス業務に対応しています。近年では、熊本県小国町における地熱発電設備の蒸気生産設備のEPCにも取り組み、設計から施工、試験までを一貫して対応しました。今後は、タービン・発電機メーカーとのJVスキームなどの検討を進め、事業領域の拡大を図ります。
FUTURE
未来への取り組み
これまで電力事業を中心に成長をしてきた西日本プラント工業株式会社。
この先の未来では、どのような取り組みを進めていくのか。
2024年以降のビジョンをご紹介します。
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地熱発電
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風力発電(陸上・洋上)
風のエネルギーを風車のブレード(羽)で受けて、回転したエネルギーを発電機で電気に変換する風力発電。風力発電には山岳部や海岸沿いに建設される陸上風力と、海上や湖面に建設される洋上風力があります。風力発電は、発電時に二酸化炭素や有害物質を排出せず、環境負荷が小さい再生可能エネルギーとして注目されています。
2007年には鹿児島県奄美市と共同出資による「奄美大島風力発電㈱」と、当社が単独出資した「鷲尾岳風力発電㈱」を設立・運営し、2021年には佐賀県内最大規模の大型陸上風力「唐津鎮西ウインドファーム」のEPC工事に対応しました。今後も、カーボンニュートラル実現に向けて加速する風力発電事業を推進します。 -
原子力発電
発電段階において二酸化炭素を全く排出せずに大量の電力を安定して供給できることや、使い終わった燃料を再処理することで再利用できる原子力発電。火力発電と同様、当社事業の核を担う事業であり、1975年に九州初の原子力発電所である玄海原子力発電所1号機の建設工事をはじめ、玄海原子力発電所2号機や川内原子力発電所1~2号機の建設工事やメンテンナンスなどに携わってきました。
東日本大震災発生後の2015年には、運転停止していた全国の原子力発電所の中で、最初に再稼働した川内原子力発電所1号機の新規制基準対応工事などを皮切りに、川内原子力発電所2号機や玄海原子力発電所3・4号機の再稼働にも貢献しました。今後は、九電グループ内工事を確実に対応しつつ、川内及び玄海原子力発電所での工事経験を生かして九州域外における工事にも取り組みます。 -
火力発電
石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料を利用して発電する火力発電。火力発電は当社設立のきっかけとなった事業です。九州電力㈱の苅田発電所1号機の建設工事に始まり、さまざまな火力発電所の工事を手掛けることで成長・発展してきました。また、発電所の工事経験を生かしながら、発電所だけでなく産業プラント設備(自家用火力発電所)にも目を向け、お客さまのニーズを実現してきました。
近年では、再生可能エネルギーの進展や電力システム改革、九州電力㈱における低利用率火力発電所の休廃止などの影響がありますが、引き続き火力発電所の安全・安定運転に貢献していきます。さらには火力発電の建設やメンテナンスなどで長年培ってきた技術力や経験を生かし、多様なニーズにお応えします。 -
太陽光発電
天候により発電出力が左右されるものの、エネルギー源が太陽光であるため、設置地域に制限がなく導入しやすい太陽光発電。2013年に子会社の「宗像アスティ太陽光発電㈱」を設立し、アスティソーラー発電所(宗像市)を運営しています。また、2024年2月にうきは市・ランドブレイン㈱・中山リサイクル産業㈱・西鉄自然電力(同)との共同出資により「㈱カゼノネ」を設立し、太陽光設備の設計・施工を担う予定です。太陽光設備関連の導入などにより、脱炭素化とエネルギーの地産地消による地域経済の活性化を進めていきます。
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水力発電
ダムや河川の流水、農業用水などを利用し、発電時に二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーである水力発電。海外メーカーから水車を調達し、新規のEPC工事を実施しています。当社が保有する水力発電へ転用可能なポンプやタービンの据付・溶接・配管設計などの技術、技能を活用し、脱炭素社会の実現を目指します。
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バイオマス発電
未活用の廃棄物を燃料とするため、環境に優しい発電方法として注目を集めるバイオマス発電。2022年2月に完成した下関バイオマス発電所は、九電みらいエナジー㈱と九電産業㈱と当社の3社で調査から建設、運転、管理までを一貫して手掛けた九電グループ初の大型バイオマス発電事業で、当社はEPC工事を実施しました。下関バイオマス発電所をはじめ、苅田バイオマス発電所、かんだ発電所などの建設・設備の据付にも対応し、現在は愛知県田原市の「田原バイオマス発電所」や熊本県八代市の「八代バイオマス発電所」の建設工事を進めています。今後もバイオマス発電事業の建設工事やメンテンナンスなどを通じて、脱炭素社会の実現に貢献します。
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養殖事業
国内でも建設数が急増し、注目されているのが「陸上養殖事業」。陸上に設置した貯水槽やプールなどで魚介類を養殖することにより、養殖時に必要なエサの残骸などによる海洋汚染の防止に繋がります。当社は、2021年に九州電力㈱、ニチモウ㈱、㈱井戸内サーモンファームとともにフィッシュファームみらい(同)を共同で設立し、九州電力㈱の豊前発電所敷地内において、年間300トンの生産能力を誇る九州最大規模の陸上養殖場の建設工事を当社が対応しました。当事業を通じて、CO2の削減や食糧の安定供給・海洋資源の保全などSDGsの達成に貢献します。
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アンモニア
水素と同様、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、今後、需要増加が見込まれるアンモニア。現在、石炭火力発電所において、石炭とアンモニアの混焼を実施することによる脱炭素に向けた実証が進められています。当社は、2022年にアンモニアの高効率な合成技術による生産及び環境負荷低減を目指す「つばめBHB㈱」に出資するとともに、同社の事業展開をサポートする業務協定を締結しました。アンモニアに関する市場調査や実証事業に参画し、自治体や企業へ設備や事業の提案を積極的に行います。
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半導体関連工事
熊本県菊陽町に、世界最大級の半導体受託製造会社であるTSMCとソニーセミコンダクタソリューションズ㈱が共同で工場を設置したことで注目を集めている半導体分野。当社は、初めて半導体工場の特別高圧受変電設備をはじめ、非常用発電設備の設置工事などを受託。世界的な半導体不足にある中、社会インフラを支える半導体分野の一翼を担えるよう取り組みます。
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公共工事
生活を支えるインフラ設備の急激な老朽化や技術者不足が課題となっている公共事業。DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した点検の省力化や高度化による解決策が求められています。当社では、気候変動や地震の影響による災害の激甚化やインフラ設備の老朽化に対するコンサルタント業務によって、社会課題解決への糸口を探っています。今後は、IOT・AI・ドローンなどの新たな技術を活用し、さまざまなニーズにお応えできるよう努めます。
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水素(FCバス)
2050年のカーボンニュートラルに向けて、二酸化炭素を排出しないことから化石燃料に代わるエネルギーとして注目を集めている水素。当社は、2023年に九州電力㈱とともに参画するNEDOの実証事業において、大型水素燃料電池バス(FCバス)の運行を開始。九州の豊富なゼロエネミッション電源を用いて製造した水素を地産地消で利活用する水素社会地域モデルの構築を目指しています。FCバスの運用に関する実証データの収集や運用計画等を行っています。
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エンジニアリング
九州電力グループの中核企業として、半世紀以上にわたり、火力・原子力を始めとした発電プラント事業に携わってきました。その豊富な経験と培ってきた技術力を生かし、徹底した安全管理と厳格な品質管理のもと、企画構想段階から設計・調達・建設・保守・改良・修繕に至るまで一貫したトータルエンジニアリングサービスを提供します。今後は、多様化するお客さまニーズに対し、多様な技術力を融合しながら対応します。
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多様な働き方
多様化する社会に対応するため、当社ではさまざまな働き方の改革を進めています。例えば、男性社員の育児休業取得の推進、時間外・休日労働時間の削減、年次有給休暇の取得日数の確保など、多様な働き方をサポートできる体制を構築しています。